カネックはご存知、長年に渡りUWA世界ヘビー級王者に君臨しては『メヒコ最後の砦』として、メヒコを来襲するトップ外国人を相手に華々しい活躍と実績を誇っては『メヒコの帝王』の名を欲しいままにしていたわけですが、
グラン浜田いわく、80年代前半のメヒコでのカネックは神憑っていて猪木よりも戦績が良かったと語ってましたが
Gスピリッツなどの専門誌でも書かれてたように、カネックのメヒコでの外国人相手の通算戦績はほとんどの選手に勝っている…または勝ち越しているんですね。
例えば猪木とはわずか1度だけの対戦で、ストレートで負けてますが、外国人に負け越したのはこの猪木だけなんですね.
まぁこの試合の敗北も、カネックがUWA世界ヘビー級王者になってまだ8ヵ月で大エースとしてそんなに定着していなかったと思われることと、カネックの本格的な対外国人路線というはこの猪木戦が初めてみたいな感じでメヒコのファンも外国人に負けるな!!という感覚はまだなかったようなので、地元のエースのカネックが負けることになったのはとくに問題なかったからだと思うんですね。
あとはホーガンと1度だけ実現したシングル戦で引き分けて…この猪木に唯一負け越し、ホーガンと唯一引き分けた他は、すべて勝つor勝ち越しているわけなんです。
カネックが外国人を相手にしたシングル戦・通算戦績をざっと記載させて頂きますと
◯テムヒン・モンゴル(若手時代のキラー・カーン)(1勝0敗0分)
●アントニオ猪木(0勝1敗0分)
◎タイガー・ジェット・シン(2勝1敗2分?)
◎ストロング小林(2勝0敗0分?)
◎バッドニュース・アレン(5勝0敗0分?)※80年代の通算戦績。90年代以降のはノー・カウント
◎ビル・ロビンソン(5勝1敗0分)
◎ジ・アセシノ(トーマス・レネスト)(2勝0敗0分?)
◯パット・パターソン(1勝0敗0分)
◎トニー・ロコ(ドン・コルレオーネ)(おそらく4勝1敗2分?)
◎長州力(4勝1敗1分?)
◎藤波辰巳(2勝1敗0分)※カネックがUWA世界ヘビー級王者になってからの通算戦績であり、若手時代の戦績はノー・カウント。
△ハルク・ホーガン(0勝0敗1分)
◯スタン・ハンセン(1勝0敗0分)
◎ビッグバン・ベイダー(2勝1敗1分)
◯TNT(1勝0敗0分)
このような感じになるのですが、実は…タッグ戦を含めてピン・フォール&ギブアップでの完全勝利を奪ったというのは実は物凄く少ないんですよね。
試合の決着を決定する決勝ラウンドではなく、3本勝負のうちの1本だけでもフォール勝ちできてないケースが多々あるわけでして。
例えば猪木やアンドレやハンセン、ホーガン、ブッチャー,バックランドなどと言った世界クラスの真のトップ選手からは、カネックがフォール負けを献上しても、タッグ戦を含めカネックが3本勝負のうちの1本でもピン・フォール勝ちを奪う事は出来ておりません。
シン、ロビンソン、アレン、パターソン、アセシノ、トニー・ロコ、S小林、ブレイク前の長州、藤波、さらに付け加えると外国人ではなく同国人のトップ選手であるマスカラス達からは3本のうちの1本をフォール勝ちを幾度も奪ってますが
9度もメヒコ来襲して長く抗争を展開したアンドレからはシングル&タッグ含め、反則勝ちを何回か奪ったのみでフォール勝ちは0ですし
ハンセンからも反則勝ち以外ではリングアウト勝ちが1回(1本)ありますが
ホーガンからはタッグ&シングルの2試合で反則勝ちのみ
バックランドとはシングル戦は実現せず、タッグでしか対戦してませんが、そのバックランドからもフォールを奪った記録は皆無で
3年という…結構長く因縁の抗争を繰り広げたブッチャーからもリングアウト勝ちが最高峰で…結局フォール勝ちはできてないんですね。
ベイダーからはフォールを奪ってますが、ベイダーは時代も時代でしたし、日本でも随時フォール負けを献上してましたからね。
メキシコのファンは単純で反則でもなんでも勝てば喜ぶらしく、そういう事もあってフォール負けを無理強いする必要も無かったのでしょうね。
まぁ、こういう形での凄い戦績っていうのもカネックらしいといえばカネックらしくて、なんか嫌じゃないですけどもね。
参考までに晩年期に差し掛かった90年代に入ってからの外国人を相手にした大雑把な戦績は
クラッシャー・バンバン・ビガロ
グレート・コキーナ
ブレイド・ブッチ・マスターズ(ヒガンテ・ウォリアー)
オーエン・ハート(ブルー・ブレイザー)
ダニー・クロファット
ダグ・ファーナス
タイガー戸口
ミゲル・ペレスJr.
ロードブリック
ジェイソン・ザ・テリブル
ノーマン・スマイリー
などからフォール勝ちしてます。